ペットフードの安全性についてや完全肉食動物である猫の手作り食の是非、つまりペットの栄養学についてが目下の私の課題。少しでも科学的かつ有用な情報を手に入れたいと思っていたところペット栄養管理士という資格があることを知り、昨日ペット栄養管理士養成講習会の1日目を終えてきました。
9月4日の講義は以下の4つ。
- 消化器疾患と栄養
- ミネラル代謝
- 慢性腎臓病の食事療法
- 共通感染症
その中で最も興味深かった日本獣医生命科学大学の竹村直行先生による「慢性腎臓病の食事療法」についての講義を備忘録代わりにまとめておきます。
慢性腎不全は猫の死因のトップに上がる病気。猫を飼っている方にとって身近な病気です。
腎臓のネフロンは一度壊れると再生できない上に初期での発見が難しく血液検査の数値に異常が現れた時にはすでに尿毒症の症状が出て手遅れということが多いようです。
早期に低蛋白質・低リン・低ナトリウムの食事療法を取り入れること、たくさんのお水を飲ませる工夫をすることが確実に生存期間延長に繋がるそうです。その中でもナトリウムの制限は腎性高血圧の予防・軽減に有効で低血圧ならば慢性腎臓病の進行を緩めることができるというデータが出ていました。ナトリウムが多く含まれている=猫にとって嗜好性の高いのでよく食べてくれるからといって与えつづけて良いのかどうか、気をつけてあげたいところですね。
また、処方食は食べてくれないという声をよく耳にしますが、以下の工夫でスムーズに導入できるようです:
- 食事を加温する(40℃のフードが最も好まれるというデータが出ていました)
- 水や鶏肉の煮汁を加える(水をあまり飲まない子にも鶏肉煮汁は有用です)
- 以前からの食事と処方食を2つの皿に別々に給与する
- 屋内の随所に食事を配置
- ドライフートよりもウェットフードを好むならばウェットの方が水分量が多いので◎
そして十分な飲水への3つのステップ:
- 好みの水を見つけてあげる(水道水・お風呂の水等)
- 飲水のチャンスを増やす(水を随所に配置)
- 好みの飲み方を見つけてあげる(蛇口からチョロチョロ等)
以上、ポイントざっくりまとめでした。
ちなみに我が家の場合は、ウォーター・ファウンテンと洗面器と部屋の真ん中にボウルを置くことで飲水を促してます。というのも、うちには今年14歳になるチンチラシルバーのウパと、生まれつき左右の腎臓の大きさが違う2歳のな〜にゃがいるので腎臓病の影がちらつきます。
ウパは3年前の血液検査数値で腎臓に以上が見られその後処方食を続けていました。その後、病院を変えたというのもありますが1年前の検査ではなぜか異常がなく…元気なご様子ですがまた検査して見ないとわからないというのもあります。悪化すると処方食の他に定期的な皮下点滴も必要になってきます。これまで怪我や中毒のような症状で瀕死の状態から数回持ち直してきたウパさん。14歳まできたからには20歳を目指したいですね。
さて、明日も朝からなのでそろそろ寝ましょう。
2015年1月17日にパーマリンクを変更したため、それ以前の シェア または いいね! などがリセットされてしまいました……。ポチっとしてくれたみなさま、ごめんなさい :'(