前回のエントリーに続いてソニーイメージングギャラリー銀座での「石原さくら 作品展 天売島 最北の猫の島 ~’17 冬・夏の記録~ / ねこかぶり」のふりかえりを、いただいたアンケートを一枚づつ読み返しながら、皆さまにも共有いたします。
人気の作品ランキング
アンケートでは、会場のレイアウト図をそのままプリントアウトした用紙に、気に入った作品に印、あるいは順位やコメントなどを記入していただきました。
それらを独自に集計して全66作品を順位付けしてみました。内、上位10作品を以下に紹介します。
10位「冬もげんき」
9位「仔猫、仲良し – 天売島」
8位「春馬くんも、ねこかぶり」
7位「仔猫、仲良し – 焼尻島」
6位「みかんちゃんも、ねこかぶり」
5位「勘九郎くんも、ねこかぶり」
4位「天売猫」
3位「短い夏がきた」
同じ構図で数枚撮ったですがその中でも最も表情がいいなと感じた1枚。
きっとこの猫さんは風が運んでくるにおいをくんくんしてたんだと思います。
「表情がよい」という感想をたくさんいただきました。みなさんにも伝わったみたい 🙂
2位「猫たちのいた風景」
50mくらい離れたところに、突如猫がひょっこり現れたところを大急ぎでおさえた1枚。逃してはいけない一瞬なのですが、手持ちで 70-200mm GM を使っていた(天売島に持ち込んだ撮影機材についてはこちらに詳しく書きました →)のでブレませんようにと願いを込めてフーっと息を吐いてシャッターを切りました。
ピントが猫にきれいにきているのを確認できた瞬間に大判プリントにするイメージがありましたので、このような場で展示できて嬉しかったです。高解像度機α7RIIならではの大判写真に仕上がりました。
1位「『人と海鳥と猫が共生する島』天売島へ」
天売島で一番なかよしになれた猫さん、自然と愛着がにじみ出てしまうのかな。
そして、昔子供の頃に図書室の画集でみて自分の猫に似ているから大好きだった絵(こんな雪景色に同じく茶白の猫が佇んでる)にそっくりの風景だったのでそういう意味でも思い入れがある写真なんです。
その絵が大好きで模写したのですがそれを小学校の校長室に飾ってもらった思い出があります。あの時の絵は何処行ったのかなぁ。
その他ご感想などサマリー
直接作品について以外にも、たくさんのご意見を頂戴しました。
そのなかからいくつか代表的なものをご紹介(コメント抜粋、原文ママ)しつつ、わたしなりの感想や反省などを。
展示方法について
まず、今回こだわった写真の組み展示については、
- 安心感のもてるレイアウトで見る側はすごく楽かも
- テーマごとにわけてあるので見やすい
- 見ていて飽きが来ないように感じる
- 説明の文が真ん中にあるのも、写真を見ながら流れで読めるのでわかりやすい
など、多くの方からご好評をいただきました。まずはヨカッタ……。
ただし、写真のサイズ(A4判の方)についてはすこし小さいと感じた方もいらっしゃったご様子。
- 小さい写真は少し大きめの方が良いような
組み写真としてのバランスもあったので、さらにもうひとまわり大きいサイズを採用することは難しかったのですが、今後他のレイアウトで展示する際には考慮したいと思います。
同様に、キャプションサイズももうすこし欲しいパートがありました。
- 説明の文字がもう少し大きい方が見やすいです。
こちらご指摘のとおりです。キャプションというよりもエッセイに風によみものとしてストリーでみせたかったので、どうしても文字量が多くなってしまいました。これも今後の展示に反映していきたいと思います。
会場について
そして、これも嬉しかったのが、会場の雰囲気が良かったという感想がおおかったこと。
- とてもおちつく空間でした。照明の色あいや明るさがちょうどよいと思いました。自分がこの現場に行ったような気になれる場所でした。島で生きていくネコさんたちのことをよくそうぞうできる空間でした
- サイズの大小がメリハリがあって見やすかったです。照明の明るさも自然体でリラックスできました。ネコの持っている気まぐれや良い意味でのゆるさが伝わって来る雰囲気がでていました。とても好きになれる空間でした
- シンプルな空間なので余計なノイズがなく写真に集中できて良かったです
- テーマ毎にレイアウトされていて見易かったです。全体的に明るい雰囲気で、いごこち良かったです
- 雰囲気もやわらかい感じが良かったです
- 猫がかわいくてふんいきがすてきです
- 大小とりまぜて見せていただきとっても良いふんいきでした。猫以外の風景もよかったです
- 静かに鑑賞できゆったりした時間をすごせました
ソファのレイアウトや、全体の照明、順路、パーティションでの区切り方など、あれやこれやと工夫してみた結果が功を奏したようで報われました。
一方で、照明については、好みが分かれるようです。
- 照明ちょうど良かったです
- 映り込みのない写真展示なのでとても見やすかったです
- 照明は少し暗く感じました
- 近寄って見る時照明が反射していて見えにくいところがあった
半光沢のペーパーなのでそれほど反射はしない方なのですが、会場全体の雰囲気とのバランスを上手に取りながら反射を抑えるなどの工夫をしてみやすく調光・レイアウトしないといけないですね。
- 一部の作品を見る時に自分の影が気になります
鑑賞の角度にもよるのでその辺りのさらなる工夫も必要そうです。参考になりました。
2テーマ併設展示の是非
また、少し混乱させてしまうかもな、と心配していてた2テーマの展示も、概ね評判が良かったようで安心しました。
- かぶりものと自然の2パターンがよかった。非常によかった
- 猫の自然な姿や耳を付けた姿まで素敵な写真でした
こちらについても、展示方法の工夫の甲斐もあってか雑多な印象になってしまうことを回避できていたのかな、と分析しています。
同じ猫写真好きでも好みが分かれますから、あえて両極端のテイストの展示を試みてみたのですが、双方対流できていたようで良かったです。
天売島よいとこ、一度はおいで
最後に、取り立てて嬉しかったのは、
- 寒そうだが心が暖かくなります
- 心がいやされる。一度天売島に訪問したくなりました
- 私も天売島のことは知りませんでしたがどこもネコとの共生は重要な問題(特に町ネコを撮る人にとっては…)ですね
- 天売島は初めて聞きましたが自然にとけあるように生活しているネコたちはとてもかわいらしかったです
- 撮影地の情報(なじみのない島だったので)を付けられているのが良かったです
など、天売島を知っていただき、興味持っていただけたり、行ってみたい、という感想をいただけたこと。
とってもすてきな島です。季節を通してその風景は美しく、澄んだ空気と美味しい海産物…とりわけ星空は星が落ちてきそうで圧観ですよ。私もまた行きたいなぁ。
そうそう、3月2日、3日の二日間、天売島のケイマフリをはじめとする海鳥の写真と、自然が育む豊かな物産が大集合するイベントが開催されるそうですよ。
冬の間は営業している宿泊施設も船の数も少ないので、まずはこちらのイベントに行って見てはいかがでしょうか。
天売島シリーズの展示、まだまだ続きます!
ざっと、アンケートからの振り返りに関しては以上です。
作品に対して皆さまからの声に直接触れることができる大変貴重な機会をいただきました。すばらしい経験でした。ありがとうございました。
そして、天売島シリーズの展示、会場を札幌に移し、まだまだ続きますよ!
今後の予定としてましては、以下のスケジュールの写真展を開催します。
まずは、2017年2月にもお世話になりました、東急百貨店 札幌店 さんにて、
※2月3日にトークイベント、2月4日にフォトレッスン
同じく2月同じく札幌で、
※2月25日(日)はトークイベントあり
それ以降のイベント情報については、また別途お知らせします。
さっそく今回皆様からお寄せいただいたご意見を参考にブラッシュアップさせた展示内容でお迎えしたいと準備に邁進しております。
さいごに
今回ご来場いただきました皆さま、貴重なご意見をくださった皆さま、この場を借りて改めてありがとうございました。これからの創作活動に大変励みに、勉強になりました。がんばります!
どうぞ、またの機会、様子を見にいらしてください。お待ちしております。